咲き初むる梅の立ち枝に降る雪の
重なる数をとへとこそ思へ
- 歌の意味
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咲きはじめた梅の高く伸びた枝に降る雪が、重なっていくその数を尋ねに来てほしいと思うのだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 15
詞書「正月二十日ころ雪の降りて侍りけるあしたに、家の梅を折りて、俊頼朝臣につかはし侍りける」
正月二十日ごろ、雪の降った朝に、自邸の梅の枝を折って源俊頼に贈った歌である。咲きはじめた梅の枝に雪が降り重なっていくので、その数を尋ねに来てほしい、と詠み、雪の朝の梅を口実に俊頼の来訪を促している。次歌の第十六首は俊頼の返歌で、二首で贈答をなす。
作者の「権中納言俊忠」は藤原俊忠である。権大納言藤原忠家の子で、権中納言に至った。千載和歌集の撰者藤原俊成の父である。
初句「咲き初むる」は、咲きはじめる、の意の連体形で、梅にかかる。
二句「梅の立ち枝に」の「立ち枝」は高く伸び立った枝をいう。
三句「降る雪の」は、梅の枝に降る雪で、花と雪とが重なり合うさまを導く。
四句「重なる数を」は、雪が降り重なっていく数をいう。次歌の第十六首はこの「重なる」を受けて返している。
結句「とへとこそ思へ」の「とへ」は、数を「問へ」と家を「訪へ」との両意を含む。「こそ」は係助詞で、「思へ」と已然形で結ぶ係り結びとなり、来訪を求める思いを強める。
たちえ:高く伸び立った枝
とふ:数を問う意と、家を訪れる意を含む
- 作者
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藤原俊忠
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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春日野の雪を若菜に摘み添へて 今日さへ袖のしをれぬるかな
- 次の歌
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梅が枝に心もゆきて重なるを 知らでや人のとへと言ふらむ