梅が枝に心もゆきて重なるを
知らでや人のとへと言ふらむ
- 歌の意味
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梅の枝に雪が重なるように、私の心もそちらへ行って重なっているのを知らないで、あなたは訪ねてこいと言うのだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 16
詞書「返し」
前歌の藤原俊忠の歌に対する源俊頼の返歌である。俊忠が梅の枝に重なる雪の数を尋ねに来いと誘ったのに対し、梅の枝には雪だけでなく私の心も飛んで行って重なっているのに、それを知らずに訪ねて来いとおっしゃるのでしょうか、と応じている。「ゆき」に「雪」を掛け、贈歌の「重なる」「とへ」をそのまま受けて機知に富んだ返しとしている。
作者の「源俊頼朝臣」は大納言源経信の子の源俊頼である。堀河院歌壇の中心として活躍し、白河院の命により金葉和歌集を撰んだ。千載和歌集の撰者藤原俊成が深く敬った歌人で、本集で最も多くの歌が採られている。
初句「梅が枝に」は、贈られた梅の枝を受ける。次歌の第十七首も同じ初句で始まり、梅の枝の雪を詠む歌が続く。
二句「心もゆきて」の「ゆき」は、心が「行き」と「雪」との掛詞である。雪と同じく心も梅の枝に降り重なっていることをいう。
三句「重なるを」は、前歌の第十五首の「重なる数」を受ける。
四句「知らでや人の」の「で」は打消の接続助詞、「や」は疑問の係助詞で、結句の「らむ」と係り結びをなす。「人」は贈り主の俊忠を指す。
結句「とへと言ふらむ」は、前歌の結句「とへとこそ思へ」を受けたもので、訪ねて来いと言うのだろうか、と返している。
ゆく:心が「行く」意と「雪」を掛ける
- 作者
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源俊頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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咲き初むる梅の立ち枝に降る雪の 重なる数をとへとこそ思へ
- 次の歌
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梅が枝に降り積む雪は鶯の 羽風に散るも花かとぞ見る