帰る春卯月の忌にさしこめて
しばしみあれのほどまでも見む
- 歌の意味
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去ってゆく春を、四月の賀茂祭の物忌みに閉じ込めて、しばらく御阿礼の神事のころまでも見ていよう。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 92
去ってゆく春を、四月の賀茂祭に先立つ物忌みの中に閉じ込めて、御阿礼の神事のころまで引き止めておこうと詠む歌である。物忌みには門を閉ざして家にこもることから、春も閉じ込めて出て行かせまいとする機知に富んだ発想である。
作者の「俊頼」は、源経信の子の源俊頼である。白河院の命により本集金葉和歌集を撰んだ。革新的な歌風で知られる。
初句「帰る春」は去ってゆく春で、前歌までの暮春の主題を受けている。
二句「卯月の忌に」の「卯月の忌」は四月の賀茂祭に先立って行う物忌みである。
三句「さしこめて」は閉じ込めての意で、物忌みの間は門を閉ざしてこもることにちなむ。
四句「しばしみあれの」の「みあれ」は賀茂祭に先立って行われる御阿礼の神事で、神の降臨を迎える儀式である。
結句「ほどまでも見む」はそのころまでも見ていようの意で、「む」は意志の助動詞である。
いみ:物忌み。けがれを避けて家にこもり身を慎むこと
みあれ:賀茂祭に先立って行われる神事
さしこむ:閉じ込める
- 作者
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源俊頼
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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春は惜し人はこよひと頼むれば 思ひわづらふ今日の暮かな
- 次の歌
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思ひやれめぐりあふべき春だにも 立ち別るるは悲しかりけり