雪の色を盗みて咲ける卯の花は
冴えてや人に疑はるらむ
- 歌の意味
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雪の色を盗んで咲いている卯の花は、あまりに白く冴え冴えとしているので、雪の色を盗んだのではないかと人に疑われているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 52
初夏に咲く卯の花の白さを雪に見立て、それを「盗みて咲ける」と擬人化した機知の歌である。あまりの白さゆえに盗みを疑われるだろうと、花を罪人に見立てて興じている。
『金葉和歌集』夏の藤原公実の歌にも、雪の色を奪って咲く卯の花を詠んだものがあり、卯の花を雪に見立てる趣向は当時の好まれた型であった。前歌の第五十一首の更衣に続き、初夏の景物として卯の花が置かれている。
初句「雪の色を」は字余りで、卯の花の白さを雪に重ねる見立ての起点となる。
二句「盗みて咲ける」は、花を人に見立てた擬人法である。
三句「卯の花は」は、初夏を代表する白い花を主題として提示している。
四句「冴えてや人に」の「冴ゆ」は、冷たく澄みきってくっきりと白く見える意で、雪の性質をも帯びている。係助詞「や」は疑問を表す。
結句「疑はるらむ」の「る」は受身、「らむ」は現在推量で、係助詞「や」の結びとして連体形になっている。
うのはな:ウツギの花。初夏に白い花を咲かせる
さゆ:冷たく澄みきる、くっきりと白く見える
ぬすむ:ひそかに取る
- 作者
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源俊頼
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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今日よりはたつ夏衣薄くとも あつしとのみや思ひわたらむ
- 次の歌
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年を経てかけしあふひは変はらねど 今日のかざしはめづらしきかな