波間より見えし景色ぞ変はりぬる
雪降りにけり松が浦島
- 歌の意味
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波の間から見えていた景色が、すっかり変わってしまった。雪が降ったのだ、松が浦島に。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 460
詞書は前の歌に続き「雪の歌とてよみ侍りける」
雪の歌として詠んだものである。波の間から見えていた景色がすっかり変わってしまった、松が浦島に雪が降ったのだ、と詠む。波間に見えていた松の緑の島が雪に覆われて白く変わったことに、まず景色の変化として気づき、その理由を下の句で明かす構成である。
作者の「顕昭法師」は左京大夫藤原顕輔の猶子である。六条藤家の歌学を受け継いだ学僧で、歌学書「袖中抄」などを著した。
第四百四十五首から第四百六十七首まで、雪を詠む歌が続く。第四百五十七首から第四百六十首までの四首は、同じ詞書のもとに置かれた雪の歌である。
初句「波間より」は、波と波との間から、の意である。
二句「見えし景色ぞ」の「し」は過去の助動詞「き」の連体形で、以前見えていた景色をいう。「ぞ」は強意の係助詞で、三句の「ぬる」と連体形で結ぶ。
三句「変はりぬる」の「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形で、変わってしまった、の意である。ここで句切れとなる。
四句「雪降りにけり」の「けり」は詠嘆の助動詞で、雪が降ったのだ、と景色の変わった理由に気づく。ここで句切れとなる。
結句「松が浦島」は体言止めである。陸奥国の歌枕で、松の茂る島として詠まれる。
なみま:波と波との間
まつがうらしま:陸奥国の歌枕で、松の茂る島
- 作者
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顕昭
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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越えかねて今ぞ越路をかへる山 雪降る時の名にこそありけれ
- 次の歌
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吹雪する長等の山を見渡せば 尾上を越ゆる志賀の浦波