長からむ心も知らず黒髪の
乱れて今朝はものをこそ思へ
- 歌の意味
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末長く変わらないというあなたの心も確かにはわからず、寝乱れた黒髪のように心も乱れて、今朝は物思いにふけることだ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 802
詞書は前の歌に続き「百首歌奉りける時、恋の心を詠める」
前歌と同じく久安百首の恋の歌である。末長く変わらないというあなたの心もわからず、黒髪が乱れるように乱れて今朝は物思いをする、と詠む。共寝をした翌朝、男の誓う心が末長く続くかどうかわからない不安を、寝乱れた黒髪の乱れに重ねて表した後朝の歌である。黒髪の「長し」と心の「長し」を響かせた艶麗な歌として名高く、藤原定家の小倉百人一首にも採られている。
作者の「待賢門院堀河」は神祇伯源顕仲の娘である。鳥羽天皇の中宮待賢門院藤原璋子に仕え、女院の出家に従って出家した。久安百首の作者の一人である。
初句「長からむ」の「む」は推量の助動詞「む」の連体形で、末長く続くであろう、の意である。三句の「黒髪」の長さを響かせる。
二句「心も知らず」は、あなたの心も確かにはわからず、の意である。
三句「黒髪の」は、四句の「乱れ」を導き、初句の「長からむ」と縁語の関係にある。
四句「乱れて今朝は」は、黒髪が寝乱れるように心も乱れて、の意で、「今朝」は共寝の翌朝である。
結句「ものをこそ思へ」の「こそ」は強意の係助詞で、「思へ」と已然形で結ぶ。物思いにふけることだ、の意である。
ものおもふ:思い悩む、物思いにふける
- 作者
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待賢門院堀河
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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よそにしてもどきし人にいつしかと 袖の雫を問はるべきかな
- 次の歌
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宵の間も待つに心や慰むと 今来んとだに頼めおかなん