池もふりつつみ崩れて水もなし
むべ勝間田に鳥の居ざらん
- 歌の意味
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池も古び、堤も崩れて、水もない。なるほど、勝間田の池に鳥がいないのも、もっともなことだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1172
詞書「振鼓」
物名の歌で、「ふりつつみ」という語を、初句の「ふり」から二句の「つつみ」にかけて隠して詠み込んでいる。池も古び堤も崩れて水もない、なるほど勝間田に鳥がいないわけだ、と詠む。荒れ果てて水の涸れた池の様子に、鳥の姿がないのも道理だと納得する歌である。
作者の「二条太皇大后宮肥後」は二条太皇太后宮令子内親王に仕えた女房で、藤原定成の娘である。
物名の一連の四首目である。なお本文の結句は「鳥のゐさらん」とあり、読み仮名の行の「とりもゐさらむ」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「池もふり」の「ふり」は古びる意の「古る」の連用形である。ここから次の句にかけて、物名の「ふりつつみ」が隠されている。
二句「つつみ崩れて」の「堤」は池の水をせき止める土手で、それが崩れて、の意である。
三句「水もなし」は、水もない、の意で、ここで句切れとなる。初句の「池も」と「も」を重ね、荒れたさまを畳みかけている。
四句「むべ勝間田に」の「むべ」は、なるほど、もっともだ、の意である。「勝間田」は大和国の勝間田の池で、『万葉集』に池に蓮のないことを詠んだ戯れの歌が見える歌枕である。
結句「鳥の居ざらん」の「ざら」は打消の助動詞「ず」の未然形、「ん」は推量の助動詞である。四句の「むべ」と呼応し、鳥がいないのももっともだろう、と納得する心を表す。
ふりつつみ:振り鼓、柄を振って鳴らす小さな鼓、物名の題として初句から二句にかけて隠されている
ふる:古くなる、古びる
かつまた:大和国にあった勝間田の池、歌枕
- 作者
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二条太皇太后宮肥後
- 出典
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千載和歌集
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榊葉は紅葉もせじを神がきの から紅に見えわたるかな
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わが駒をしばしとかるかやましろの 木幡の里にありと答へよ