榊葉は紅葉もせじを神がきの
から紅に見えわたるかな
- 歌の意味
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榊の葉は紅葉もしないはずなのに、神社の垣が、一面に唐紅の色に見えることだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1171
詞書「かきのから」
物名の歌で、「かきのから」という語を、三句の「神がきの」から四句の「から紅に」にかけて隠して詠み込んでいる。榊の葉は紅葉もしないはずなのに、神垣が唐紅に一面に見えることだ、と詠む。常緑の榊は色を変えないのに、神の社の垣があたり一面に紅く見えるのを、紅葉に見立てて驚いた趣である。
作者の「大弐三位」は藤原宣孝の娘で、名を賢子という。母は紫式部である。
物名の一連の三首目である。
初句「榊葉は」の「榊」は神事に用いる常緑の木で、色を変えない木として詠まれる。
二句「紅葉もせじを」の「じ」は打消推量の助動詞で、「を」は逆接の接続助詞である。紅葉もしないはずなのに、の意である。
三句「神がきの」の「神垣」は神社の周囲にめぐらす垣で、神域を言う。末尾の「かきの」から次の句にかけて、物名の「かきのから」が隠されている。
四句「から紅に」の「唐紅」は、鮮やかな濃い紅色である。
結句「見えわたるかな」は、一面に見えることだ、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
かきのから:物名の題、三句から四句にかけて隠されている
かみがき:神社の周囲にめぐらす垣、神域
からくれなゐ:鮮やかな濃い紅色
- 作者
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大弐三位
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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跡絶えて訪ふべき人もおもほえず たれかは今朝の雪を分け来ん
- 次の歌
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池もふりつつみ崩れて水もなし むべ勝間田に鳥の居ざらん