- 歌の意味
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堕落してしまったと人に語るなら、語るがよい、女郎花よ。今夜は花の陰に宿ろう。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1188
詞書「野花を見て道に留まるといへる心を詠める」
野の花を見て道にとどまる、という題の心を詠んだ歌である。落ちたと語るなら語れ、女郎花よ、今宵は花の陰に宿ろう、と詠む。『古今和歌集』の僧正遍昭の歌に、女郎花の名に心ひかれて折っただけなのだから、自分が堕落したと人に語るな、と詠んだものがある。本歌はそれを逆手に取り、僧の身でありながら、堕落したと言われてもかまわないから女郎花のもとに宿ろうと開き直ったところに、誹諧の滑稽さがある。
作者の「僧都範玄」は奈良興福寺の僧で、僧都の位にあった。
誹諧歌の一連の九首目で、秋の女郎花を詠む。
初句「落ちにきと」の「落ち」は、僧が戒を破って堕落する意で、「に」は完了、「き」は過去の助動詞である。遍昭の歌の言葉を取っている。
二句「語らば語れ」は、語るなら語れ、の意で、開き直りの気持ちを表している。
三句「女郎花」は秋の七草の一つで、女性にたとえられる花である。ここでは呼びかけで、ここで句切れとなる。
四句「今宵は花の」は、今夜は女郎花の、の意である。
結句「陰に宿らん」の「ん」は意志の助動詞で、花の陰に宿ろう、の意である。詞書の「道に留まる」に応じている。
をみなへし:女郎花、秋の七草の一つで、女性にたとえられる
おつ:僧が戒を破って堕落する
- 作者
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範玄
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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茅花生ひし小野の芝生の朝露を ぬき散らしける玉かとぞ見る
- 次の歌
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暮れの秋ことにさやけき月影は 十夜に余りてみよとなりけり