- 歌の意味
- 宮城野の露を吹き結ぶ風の音を聞くにつけても、その小萩のもとがどうしているかと思いやられる。
- 鑑賞
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第一部 桐壺
更衣の死後、悲しみの癒えない帝は、秋風が身にしみる頃、靫負命婦を更衣の里へ遣わし、母君の様子を見舞わせる。この歌はそのとき命婦に託された帝の御文に書かれていたものである。母君はこの歌を受け取って涙にくれ、返しの歌を詠むことになる。
「宮城野」は萩の名所として知られる歌枕で、その連想から「小萩」を導く。小萩は幼い若宮、すなわちのちの光源氏を指し、露は涙をも重ねている。帝が幼い我が子の身の上と、その子を育てる母君の暮らしとを同時に案じていることが、荒野を吹く風の音という一つの景に託されている。直接に悲嘆を述べず、風景を通して心を伝える点に、帝の抑えた哀情が表れている。
宮城野:陸奥の歌枕で萩の名所。
小萩:幼い若宮(のちの光源氏)のたとえ。
思ひこそやれ:遠くから思いやる。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌