- 歌の意味
- 亡き人を探しに行ってくれる幻術士がいてほしい。人づてにでも、その魂のありかをそこだと知ることができるように。
- 鑑賞
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第一部 桐壺
命婦が帰参し、荒れた里の様子と母君の言葉を伝えると、帝はいっそう悲しみを募らせる。折しも帝の目にとまっていたのは、玄宗皇帝と楊貴妃を描いた長恨歌の絵であった。亡き人の魂を探し当てた道士の故事を思い起こしながら、帝はこの歌を詠む。以後も帝の嘆きは長く続き、若宮への思いだけが慰めとなっていく。
「まぼろし」は長恨歌に描かれた幻術士のことで、漢詩の世界を下敷きに自らの悲嘆を重ねている。「つてにても」は「せめて人づてにでも」の意で、直接会うことはかなわないという前提が言外にある。願いが最初からかなわないと知りつつ口にされている点に、帝の悲しみの深さがある。桐壺巻が長恨歌の影響を強く受けていることを示す一首でもある。
まぼろし:幻術士。長恨歌で楊貴妃の魂を探した道士。
もがな:…があってほしいという願望。
つてにても:人づてにでも。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌