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結びつる心も深き元結に
濃き紫の色しあせずは

歌の意味
結び込めた心も深いこの元結に、濃い紫の色さえ褪せなければ、その約束は変わることがない。
鑑賞
第一部 桐壺

 帝の「いときなき」の歌を受けて、加冠の役を務めた左大臣がその場で返した歌である。娘を源氏に娶わせたいという自らの心を、確かに元結に結び込めたと答える形になっている。この贈答によって縁組は事実上決まり、左大臣は宮中の階を下りて拝舞し、その夜、源氏は左大臣家に迎えられて葵の上と結ばれる。

 帝の歌の「結び」「元結」を受け継ぎ、贈答歌の作法どおりに語を返している。「濃き紫」は高貴な色であり、また染めの濃さから変わらぬ深い心を表す。「色しあせずは」は「色さえ褪せなければ」の意で、条件の形で言い止め、結論を言い切らないところに、臣下として帝に応じる際の慎みが表れている。

結びつる:結び込めた。
元結:髪を結い束ねる紐。
濃き紫:高貴な色。深く変わらぬ心のたとえ。
色しあせずは:色さえ褪せなければ。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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