- 歌の意味
- 木枯らしに合わせて吹いているらしい笛の音を、引きとどめるだけの言葉を私は持たない。
- 鑑賞
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第一部 帚木
殿上人の歌を受けて、和琴を弾いていた女がすぐに返したのがこの歌である。門の外から聞こえる笛の音に、いま自分のもとを離れていく男の心を重ねている。歌そのものは即座に詠まれた気の利いたもので、左馬頭も一応は感心するのだが、こうした才気の見せ方が続くことにかえって嫌気がさし、結局その家へは通わなくなってしまう。
「木枯らし」は冬の冷たい風で、男の冷淡さを含んで用いられている。「ひきとどむ」は前の歌の「ひきやとめける」を受けたもので、贈答歌として語を確かに引き継いでいる。相手が琴で引きとめられたかと問うたのに対し、女は言葉でも引きとめられないと答えており、才知の応酬としては見事だが、そのことが逆に評価を下げる結果になっている点に、この話の皮肉がある。
木枯らし:冬の冷たい風。相手の冷淡さを重ねる。
吹きあはす:笛を琴に合わせて吹く。
言の葉:言葉。ここでは引きとめる歌の言葉。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌