咲きまじる色はいづれと分かねども
なほ常夏にしくものぞなき
- 歌の意味
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咲き交じっている花の色は、どれがすぐれているとも見分けられないが、それでもやはり常夏にまさるものはない。
- 鑑賞
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第一部 帚木
女から「撫子の露」の歌を受け取った頭中将は、この歌を返す。幼い娘を撫子にたとえた相手の歌に応じて、母である女自身を常夏の花にたとえ、誰よりもあなたがまさっていると答えた形である。しかしこの言葉も女の不安を消すには足りず、女は正妻方からの威嚇に耐えかねて姿を消してしまう。頭中将は今もその母子の行方を知らないまま、この夜の話として語っている。
「常夏」は撫子の別名であり、「床」を響かせて夫婦の仲を暗示する語でもある。相手が撫子を娘の意で使ったのに対し、頭中将は同じ花の別名を用いて母を指し、贈答歌として巧みに受けている。ただし比較を並べて「まさるものはない」と言うにとどまり、身を守ってやるという具体的な言葉がないところに、この関係の弱さがそのまま出ている。
咲きまじる:入りまじって咲いている。
常夏:撫子の別名。「床」を掛けて夫婦の仲を暗示する。
しくものぞなき:及ぶものはない。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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