山がつの垣ほ荒るともをりをりに
あはれはかけよ撫子の露
- 歌の意味
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山里の賤しい家の垣根が荒れ果てても、折々には情けをかけてほしい。撫子におく露のように。
- 鑑賞
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第一部 帚木
頭中将が自分の体験として語ったのは、身分の高くない、おとなしい女のことである。人目を忍んで通ううちに幼い娘まで生まれたが、頭中将の正妻の家から women を通じて脅すような言葉が届き、女は身を隠してしまう。その前に女から届いたのがこの歌で、幼い娘を撫子にたとえ、たまには情けをかけてほしいと訴えている。頭中将は返歌を送るが、女はやがて行方をくらまし、後にその女が夕顔であったことが明らかになる。
「山がつ」は山里に住む身分の低い者で、自分の境遇を低く言う言い方である。「撫子」は幼い娘を指し、「露」は情けと涙の両方を含む。恨みを直接口にせず、子どものために情けを乞う形をとっているところに、頭中将が語った「おっとりとして角の立たない女」という人物像がそのまま表れている。夕顔巻へとつながる伏線としても重い一首である。
山がつ:山里に住む身分の低い者。ここでは自分をへりくだって言う。
垣ほ:垣根。
撫子:幼い娘のたとえ。
あはれをかく:情けをかける。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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