帚木の心を知らでその原の
道にあやなくまどひぬるかな
- 歌の意味
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近づけば消えるという帚木のようなあなたの心も知らずに、その園原の道でむなしく迷ってしまったことだ。
- 鑑賞
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第一部 帚木
源氏は小君の手引きで再び空蝉のもとへ向かうが、空蝉は源氏の来訪を察して身を隠してしまう。小君はどうすることもできず、源氏は空しく引き返すほかなくなる。その帰り際に、源氏が小君に託して空蝉へ伝えたのがこの歌である。この歌に対して空蝉は返歌を寄こし、それが巻名の由来ともなっている。以後、二人の関係は空蝉巻へと持ち越されていく。
「帚木」は信濃国園原にあるという伝説の木で、遠くからは箒を立てたように見えるが、近寄ると見えなくなるという。逢えそうで逢えない相手のたとえとして古歌に用いられており、源氏はその趣向をそのまま空蝉に当てはめている。「その原」は地名の園原と「その原」を掛けた語である。この巻の題名がこの歌から取られていることからも、空蝉という人物の造形を一語で言い当てた歌だといえる。
帚木:信濃国園原にあるという伝説の木。近づくと見えなくなる。
その原:地名の園原に「その原」を掛ける。
あやなく:わけもなく、むなしく。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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