寄りてこそそれかとも見めたそかれに
ほのぼの見つる花の夕顔
- 歌の意味
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近寄ってこそ、それかどうか見定められるだろう。黄昏時にぼんやりと見えた夕顔の花は。
- 鑑賞
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第一部 夕顔
扇に書かれた歌を灯のもとで読んだ源氏は、書きぶりのみごとさに驚き、この家の女がただ者ではないと感じる。惟光に命じて隣家の様子を探らせながら、まずは返しの歌を送ることにする。この歌がその返歌である。これをきっかけに文のやり取りが始まり、源氏は身分を隠したまま、覆面をして通うようになっていく。
相手の歌の「それか」「夕顔の花」をそのまま受け取り、贈答歌の作法どおりに語を返している。「たそかれ」は「誰そ彼」から出た語で、人の顔が見分けにくくなる夕暮れ時を指し、相手が誰かはっきりしないという内容と、時刻の景とが一語で結ばれる。近寄ってこそ分かるという言い方で、直接会いたいという意向を控えめに伝えており、五条の女との関係の始まりを告げる一首になっている。
寄りてこそ:近寄ってこそ。
それかとも見め:それかどうか見定めよう。
たそかれ:夕暮れ時。「誰そ彼」から出た語。
ほのぼの:ぼんやりと。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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