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光ありと見し夕顔のうは露は
たそかれ時のそら目なりけり

歌の意味
光があると見た夕顔の上露は、黄昏時の見間違いだったのだ。
鑑賞
第一部 夕顔

 素顔を見せた源氏の歌に対し、女が返したのがこの歌である。最初に扇へ書きつけた歌で「白露の光そへたる」と詠んだことを自ら取り消す形になっており、思っていたほどの方ではなかった、と軽くかわしてみせている。源氏はこの応じ方に女の心ばえを感じ取る。しかしこの夜更け、枕上に女が現れる夢を見た直後、女は急に苦しみ出し、そのまま息絶えてしまう。

 「うは露」は花の表面におく露で、最初の贈歌の「白露」を受けている。「そら目」は見間違いの意で、「たそかれ時」の見分けにくさを理由に挙げている。相手を持ち上げすぎた自分の歌を自分で打ち消すという謙遜の形だが、光を見誤ったという言い方が、この後の急転を思うと重く響く。巻頭の贈答と対をなす構成になっている点も見どころである。

うは露:花の表面におく露。
たそかれ時:夕暮れ時。
そら目:見間違い、思い違い。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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