- 歌の意味
- 見舞いもしないのをなぜかとお尋ねにもならないまま月日が経つうちに、私はどれほど思い乱れていることだろう。
- 鑑賞
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第一部 夕顔
夕顔を失った衝撃から、源氏は重い病に伏し、人との行き来も絶えてしまう。その様子を伝え聞いた空蝉が、便りを寄こしたのがこの歌である。かつて源氏を拒み通した空蝉だが、心の底では源氏を思い続けており、病を案じる気持ちを抑えきれずに筆を執った形になっている。源氏はこの歌に返しをし、途絶えていた二人のやり取りが再び動き出す。
「問はぬをも」は自分から見舞わないことを指し、「などかと問はで」はその理由を相手が尋ねないことを言う。「問ふ」という語を重ねることで、互いに問わないまま時が過ぎていく状態を一首の中に閉じ込めている。恋の言葉を直接には使わず、問い合わせの有無だけで心を伝えており、拒みながらも心を残す空蝉らしい詠みぶりである。
問はぬ:見舞わない、訪ねない。
などかと:どうしてかと。
程ふる:時が経つ。
思ひ乱るる:心が乱れる。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌