- 歌の意味
- 泣きながら今日は私が結ぶこの下紐を、いつの世に解いて見ることができるだろうか。
- 鑑賞
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第一部 夕顔
病から回復した源氏は、亡き夕顔の四十九日の法要を、人目を忍んで比叡の法華堂で営む。惟光に手配させ、供養の品として袴を用意させるが、その紐を自らの手で結びながら、こらえきれずに詠んだのがこの歌である。誰にも打ち明けられない喪の営みであり、この法要をもって、源氏の中で夕顔との日々が一つの区切りを迎える。
「下紐」は装束の内側で結ぶ紐で、「とく」はそれを解く意と、心が打ち解ける意を掛ける。夕顔巻ではすでに「紐とく花」の歌があり、二人の関係を象徴する語として繰り返されている。今度は自分の手で結ぶという逆の行為になっており、二度と解かれることのない結び目として、死による別れが具体的な所作に置き換えられている。
下紐:装束の内側で結ぶ紐。
とけて:解けて。心が打ち解ける意を掛ける。
いづれの世にか:いつの世に。来世をも含む。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌