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ほのめかす風につけても下荻の
半ばは霜にむすぼほれつつ

歌の意味
それとなくほのめかす風につけても、下の荻は半ばまで霜に閉ざされてほどけずにいる。
鑑賞
第一部 夕顔

 源氏からの歌を受けて、軒端の荻が返したのがこの歌である。すでに人妻となった身であり、源氏の便りをうれしく思いながらも、そのまま応じることはできない立場にある。その屈折した心を、霜に閉ざされた荻の姿に託している。源氏はこの返しに、この女君らしい大らかさと若さを感じ取るが、関係がこれ以上進むことはない。

 「ほのめかす風」は相手の歌の「ほのかにも」を受けたもので、贈答歌として語を確かに引き継いでいる。「下荻」は下生えの荻で、日の当たらない自分の立場を表す。「むすぼほれ」は前の歌の「むすばずは」を受けつつ、結ぼれてほどけないという意に転じており、同じ語を用いながら意味をずらす贈答歌の技法がよく効いている一首である。

ほのめかす:それとなく気持ちを示す。
下荻:下生えの荻。日の当たらない立場のたとえ。
霜:冷たく閉ざすもの。
むすぼほれ:結ぼれて解けない、心がふさぐ。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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