- 歌の意味
- 初草の若葉のような幼い人を見てからは、旅寝の袖も涙の露で乾く間がない。
- 鑑賞
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第一部 若紫
源氏は僧都から、あの少女が兵部卿宮の娘であり、藤壺の姪にあたることを聞き知る。藤壺への思いを断ちきれない源氏は、その面影を宿す少女をぜひ手もとに引き取りたいと願い、尼君に取り次ぎを頼んで、この歌を詠み贈る。しかし尼君は少女がまだ幼すぎることを理由に、まともに取り合おうとしない。源氏の申し出はこの後もくり返され、少女をめぐる長い交渉が始まる。
「初草の若葉」は女房の歌の語を受けつつ、少女その人を指している。「旅寝」は北山での仮の宿りで、「露」は涙をたとえた語であり、袖が乾かないという古歌以来の言い方で思いの深さを述べる。垣間見の場で交わされていた歌の言葉を、そのまま自分の求婚の歌に取り込んでいる点に、源氏の機転が表れている。
初草の若葉:生え出たばかりの草の若葉。幼い少女のたとえ。
見つるより:見てからというもの。
旅寝:旅先での仮の宿り。
露ぞ乾かぬ:涙で袖が乾かない。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌