優曇華の花待ち得たる心地して
深山桜に目こそ移らね
- 歌の意味
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優曇華の花に出会えた心地がして、深山の桜には目も移らない。
- 鑑賞
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第一部 若紫
別れに臨んで、僧都が源氏の歌に応じて詠んだのがこの歌である。源氏の来訪そのものが三千年に一度咲くという花に出会ったような幸いであり、山桜どころではないと、最大限の言葉で客人を讃えている。源氏はこれに笑って応じ、山を下りていく。北山での出会いはここでいったん幕を閉じ、物語は都へ移る。
「優曇華」は三千年に一度だけ咲くとされる伝説の花で、めったにない幸運のたとえに用いられる。相手の歌の「山桜」を「深山桜」と受け直しており、贈答歌として語を確かに引き継いでいる。桜を称えた源氏に対し、桜よりあなたが上だと返す構成で、僧侶らしい仏典由来の語を用いながら、格の高い挨拶の歌に仕立てている。
優曇華:三千年に一度咲くとされる伝説の花。またとない幸運のたとえ。
待ち得たる:待ち望んだものに出会えた。
深山桜:奥山に咲く桜。
目こそ移らね:目移りすることがない。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- 前の歌
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宮人に行きて語らむ山桜 風よりさきに来てもみるべく
- 次の歌
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奥山の松のとぼそをまれに開けて まだ見ぬ花の顔を見るかな