立ちとまり霧のまがきの過ぎうくは
草のとざしにさはりしもせじ
- 歌の意味
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立ち止まって、霧の垣根が通り過ぎがたいとおっしゃるのなら、草の閉ざす戸くらいが障りになるはずもない。
- 鑑賞
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第一部 若紫
源氏の「朝ぼらけ」の歌に応じて、家の中から気の利いた女房が出て返したのがこの歌である。本気で立ち去りがたいと言うのなら、閉ざされた門など障りにはならないはずだと、源氏の言葉を軽く切り返している。源氏はこの応じ方に感心しながらも、それ以上は無理をせず立ち去る。二条院へ少女を迎えるのはこの数日後のことである。
「まがき」は柴や竹を粗く編んだ垣根で、「霧のまがき」は霧が垣根のように立ちこめているさまを言う。相手の歌の「霧」「過ぎ」をそのまま受け取り、贈答歌として言葉を返している。「草のとざし」は草が門を覆っているさまで、荒れた家の様子をも表す。通り過ぎがたいという相手の言葉を逆手に取り、ならば入ってこられるはずだと言い返す機知が、この一首の眼目である。
立ちとまり:立ち止まって。
まがき:柴や竹で粗く編んだ垣根。
過ぎうく:通り過ぎにくい。
草のとざし:草が門を閉ざしていること。
さはり:妨げ、障害。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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