- 歌の意味
- 朝日のさす軒のつららは解けていくのに、どうしてあの氷は解けずに凍りついたままなのだろう。
- 鑑賞
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第一部 末摘花
雪の降り積もった朝、源氏は姫君の邸に泊まり、明るくなった光の中で初めてその姿をはっきりと見てしまう。痩せて背が高く、鼻が長く垂れて先が赤く色づいているという有様に、源氏は言葉を失う。それでも見捨てるわけにはいかないと思い直し、外の景色を眺めながら詠んだのがこの歌である。姫君はこれにも答えず、源氏は帰り支度を始める。
「垂氷」は軒から垂れ下がるつららのことである。日が当たれば氷は解けるのに、目の前の相手の心はいっこうに解けないという対比で、外の景と姫君の態度とを重ねている。「結ぼほる」は結ぼれて解けない意で、心がふさぐことも表す。姫君の容貌に衝撃を受けた直後の場面でありながら、歌そのものは相手を責めず、解けない心を惜しむ形にとどめている。
垂氷:軒から垂れ下がるつらら。
解けながら:解けていくのに。
つらら:氷。
結ぼほる:結ぼれて解けない。心がふさぐ意も含む。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌