降りにける頭の雪を見る人も
劣らず濡らす朝の袖かな
- 歌の意味
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白髪の積もった頭を見ている者もまた、その人に劣らず袖を濡らす朝であることよ。
- 鑑賞
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第一部 末摘花
姫君の邸を出ようとした源氏は、門のあたりに年老いた門番が寒さに震えながら立っているのを目にする。粗末な身なりで雪をかぶった白髪頭を見て、源氏は荒れはてた家の暮らしぶりに胸を打たれる。そのときに詠まれたのがこの歌である。源氏はこの後、姫君の家へ衣類や食料を届けさせるなど、生活の面倒を見るようになる。
「頭の雪」は白髪と、実際に降り積もった雪との両方を指す。老いを雪にたとえるのは古歌以来の趣向で、この歌もそれを踏まえている。「見る人も劣らず濡らす」は、見ている自分の袖も同じように濡れるという意で、老人の白髪への涙と、朝の雪解けの湿りとが重なる。姫君の容貌に落胆しながらも、その暮らしの窮状には素直に心を動かされているという、源氏の二面性がよく表れた一首である。
降りにける:降り積もった。年老いた意を掛ける。
頭の雪:白髪。実際の雪も指す。
劣らず:同じように、負けないほど。
濡らす:涙で濡らす。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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