紅の花ぞあやなくうとまるる
梅の立ち枝はなつかしけれど
- 歌の意味
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紅の花は、わけもなく疎ましく思われる。梅の立ち枝の花には心引かれるけれど。
- 鑑賞
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第一部 末摘花
年が明け、源氏は二条院で紫の上とくつろいで過ごしている。絵を描いて遊ぶうちに、源氏はふと髪の長い女の絵に紅い鼻を描き添え、自分の鼻にも紅をつけて鏡を見るなどして、紫の上を怖がらせたり笑わせたりする。庭には紅梅が咲きはじめており、その花を眺めながら詠んだのがこの歌である。末摘花巻はこの場面をもって閉じられ、姫君との関係は後の蓬生巻へと持ち越されていく。
「紅の花」は紅花、すなわち末摘花を指し、その赤色に姫君の鼻を重ねている。「梅の立ち枝」はまっすぐ伸びた枝に咲く梅で、そばにいる紫の上を暗示する。同じ紅色でありながら、一方は疎ましく、一方は慕わしいという対比で、二人の女性への感情の差をそのまま並べている。「あやなく」と自分でも理由が説明できないと述べる点に、笑いに包みながらも割り切れなさを残す書き方が見て取れる。
紅の花:紅花。ここでは末摘花を指す。
あやなく:わけもなく、理由もわからず。
うとまるる:疎ましく思われる。
立ち枝:まっすぐ上に伸びた枝。
なつかし:心引かれる、慕わしい。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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