いかさまに昔結べる契りにて
この世にかかる中の隔てぞ
- 歌の意味
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前世でどのような約束を結んだために、この世でこれほどの隔てのある仲になったのだろうか。
- 鑑賞
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第一部 紅葉賀
二月、藤壺は男皇子を出産する。表向きは帝の皇子だが、実は源氏との子である。源氏は帝の使いという名目で三条宮を訪ね、王命婦を通じて対面を願うが、藤壺は固く拒み続ける。会うこともかなわない苦しさの中で、源氏が命婦に向かって詠んだのがこの歌である。命婦はこれに返歌をするが、対面は最後まで実現しない。
「昔結べる契り」は前世からの宿縁を指し、今の境遇を前世の報いと見る当時の考え方に沿っている。「かかる中の隔て」は、これほどまでに隔てられた仲という意で、子までなした相手に会えないという現実を述べる。恨みを相手に向けず、前世の縁という説明のつかないものに帰している点に、行き場のない苦しみが表れている。
いかさまに:どのように。
昔結べる契り:前世からの宿縁。
かかる:これほどの。
隔て:へだたり、障壁。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- 前の歌
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唐人の袖振ることは遠けれど 立ち居につけてあはれとは見き
- 次の歌
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見ても思ふ見ぬはたいかに嘆くらむ こや世の人の惑ふてふ闇