尽きもせぬ心の闇に暮るるかな
雲居に人を見るにつけても
- 歌の意味
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尽きることのない心の闇に、目の前が暗くなることだ。はるかな雲居にあの方を見るにつけても。
- 鑑賞
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第一部 紅葉賀
七月、藤壺は中宮に立ち、源氏は宰相に昇進する。帝は譲位を考えており、若宮を東宮に立てるために、後見のない母宮の地位を固めておこうとしたのである。中宮としての初参内の夜、源氏も供として仕えるが、御輿の内にいる藤壺は、いよいよ手の届かない存在となってしまった。そのときに一人つぶやいたのがこの歌である。紅葉賀巻はこの一首をもって閉じられる。
「心の闇」は思いのために分別を失うことで、古歌以来の言い方を踏まえている。「雲居」は雲のある高い場所の意から宮中を指し、中宮となって高い位に就いた藤壺を表す。相手が上へ行くほど自分は闇の中へ沈むという上下の対比で一首が組み立てられており、栄達の場面をそのまま喪失の場面として描いている。若宮の誕生と藤壺の立后という、源氏にとって最も重い秘密を抱えたまま巻を閉じる一首である。
心の闇:思いのあまり分別を失うこと。
暮るる:暗くなる。
雲居:雲のある高い所。宮中を指す。
見るにつけても:見るにつけても、そのたびに。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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