はかなしや人のかざせる葵ゆゑ
神の許しの今日を待ちける
- 歌の意味
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はかないことです。他の人が挿している葵のために、神の許しが出る今日という日を待っていたとは。
- 鑑賞
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第一部 葵
祭見物の場は混み合い、源氏の車は停める場所を探しあぐねていた。そこへ一台の女車から扇が差し出され、場所を譲ろうと声がかかる。源氏がどういう好色者かと思いながら車を寄せると、扇の端を折って書きつけられていたのがこの歌である。筆跡から相手があの源典侍だと気づいた源氏は、その旧りない色好みぶりに呆れつつ、そっけない返歌をする。
「葵」は賀茂祭に挿頭とする草で、「逢ふ日」を掛けるのが定石であり、この巻の名の由来でもある。「人のかざせる葵」は他の女性と一緒にいる源氏を指し、隣に人を乗せている状況をそのまま歌にしている。「神の許しの今日」は祭の日を指し、この日なら逢えると期待していたという意である。恨み言でありながら、掛詞を的確に踏まえた作りで、この人物の教養の高さがここでも示されている。
はかなし:頼りない、むなしい。
かざす:挿頭にする。髪や冠に草花を挿す。
葵:賀茂祭の挿頭の草。「逢ふ日」を掛ける。
神の許し:祭礼の日であることをいう。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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