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少女子があたりと思へば榊葉の
香をなつかしみとめてこそ折れ

歌の意味
神に仕える少女のいるあたりと思うので、榊の葉の香をなつかしんで、それをたよりに折ったのです。
鑑賞
第一部 賢木

 御息所の「神垣は」の歌を受けて、源氏がその場で返したのがこの歌である。目印がないと言われたのに対し、榊の香そのものを目印にして来たのだと切り返している。源氏は御簾を引きかぶるようにして長押に寄りかかり、そのまま夜を過ごす。かつては思いのままに会えた相手であったのに、こうして隔てられていることに、二人とも心を動かされる。

 「少女子」は神に仕える乙女のことで、斎宮とその母である御息所を指す。「榊葉の香」は相手の歌の「榊」を受けたもので、贈答歌として語を確かに引き継いでいる。「なつかしみ」は心引かれての意である。目印がないという相手の論理を、香りが目印になったと言い換えて崩しており、拒絶を受け流す機知が働いている。

少女子:神に仕える乙女。
あたり:付近、そのあたり。
榊葉:榊の葉。
なつかし:心引かれる、慕わしい。
とむ:目印としてたどる。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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