- 歌の意味
- 国つ神が空の上から裁く仲だというのなら、まずはそのいい加減な言葉のほうを糾されるでしょう。
- 鑑賞
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第一部 賢木
源氏の「八洲もる」の歌を受けて、斎宮方から返されたのがこの歌である。斎宮はまだ十四歳であり、実際には女別当が代筆したものだが、源氏の言葉を軽く受け流す機知に富んでいた。源氏はこの返しを見てほほ笑み、年のわりに趣のある人だと感心する。そして、その幼い姿を見ておかなかったことを惜しく思い、いつか対面する折もあろうかと考える。
「国つ神」は相手の歌の語をそのまま受け取り、贈答歌の作法を守っている。「ことわる」も同じく相手の語である。「なほざりごと」はいい加減な言葉、口先だけの言葉の意で、神が裁くというなら裁かれるのはそちらの不誠実だと切り返している。神を持ち出した相手の論理をそのまま反転させる構成で、代筆でありながら手練れの返しになっている。
国つ神:その土地の神。
空に:空の上から。
なほざりごと:いい加減な言葉、口先だけの言葉。
糾す:問いただす、罪を明らかにする。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌