逢ふことのかたきを今日に限らずは
今幾世をか嘆きつつ経む
- 歌の意味
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逢うことの難しさが今日だけのことでないのなら、この先いくつの世を嘆きながら過ごすことになるのだろう。
- 鑑賞
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第一部 賢木
院の崩御後、藤壺は東宮の身を案じ、源氏の執心が露見することを何より恐れて、祈祷までさせて逃れようとしていた。しかしある折、源氏は深く手立てを講じて近づき、藤壺は夢のような心地で対面することになる。塗籠に押し込められて一日を過ごした源氏は、夜になって御帳の内へ入り込み、拒み続ける藤壺に向かってこの歌を詠む。藤壺はこれに返歌をし、源氏は明け方、我を失ったようにして出ていく。
「逢ふことのかたき」は逢瀬の困難さを指す。「今日に限らずは」は今日だけのことでないならばの意で、この困難が続くことを前提としている。「幾世」は来世を含む幾つもの生を指し、仏教的な輪廻の観念を踏まえている。現世での断念を、来世にまで及ぶ嘆きとして述べることで、この関係が終わらないことを訴えており、藤壺にとってはこの上なく重い言葉となっている。
逢ふこと:逢瀬。
かたき:難しい。
今日に限らずは:今日だけのことでないなら。
幾世:いくつもの生。来世を含む。
経む:過ごすだろう。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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