- 歌の意味
- 浅茅の生い茂る露のような仮の宿にあなたを残してきて、四方から吹く嵐に心が落ち着かない。
- 鑑賞
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第一部 賢木
藤壺との一件の後、源氏は人前に出ることも憂わしく、秋の野を見がてら雲林院に参籠する。亡き母の兄である律師の坊にこもり、法文を読み勤行に励むうち、世の無常が身にしみて出家の思いも起こる。しかし何より心にかかるのは二条院に残してきた紫の上であり、たびたび文を送るその中に添えられたのがこの歌である。紫の上はこれを読んで涙ぐみ、返歌を書き送る。
「浅茅生」は丈の低い茅が生い茂った所で、荒れた住まいをたとえる。「露のやどり」は露のようにはかない仮の宿の意である。「四方の嵐」は四方から吹く強い風で、外界の脅威をたとえている。自分が出家を思う一方で、残していく相手の心細さを案じるという構成になっており、この時期の源氏の迷いがそのまま形になっている。
浅茅生:丈の低い茅が生い茂った所。
露のやどり:露のようにはかない仮の宿。
四方:あたり一面。
嵐:激しく吹く風。
静心なし:心が落ち着かない。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌