- 歌の意味
- あのようでありたいと思う、今朝咲いたばかりの初花に劣らないあなたの美しさを見ることよ。
- 鑑賞
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第一部 賢木
夏の雨がのどかに降るころ、三位中将が漢籍の集を持参し、韻塞ぎの遊びが催された。二日後、負けた中将が負けわざを設け、桧破籠や賭物を用意して人々を集め、詩を作らせる。階のもとの薔薇が少しばかり咲いた、しめやかで趣ある折であった。管弦の遊びが乱れてきたころ、中将が盃を勧めながら詠んだのがこの歌である。源氏はほほ笑んで盃を取り、返歌をする。
「それもが」は、そのようでありたいという願望を表す。「初花」は咲いたばかりの花で、階のもとの薔薇を指す。「匂ひ」は色つやのある美しさのことで、源氏の容姿を讃える語である。宴の席の花を目の前に置いて主人を讃えるという、社交の歌の型を正確に踏まえている。政治的に不遇な時期にあってなお、二人が張り合いながら遊ぶ姿が描かれる場面である。
それもが:そのようでありたい。
初花:咲いたばかりの花。
劣らぬ:劣らない。
匂ひ:色つやのある美しさ。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌