- 歌の意味
- 晴れぬ思いのままに心の内で悩んでいることだ。さあどうしているかと尋ねてくれる人もないので。
- 鑑賞
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第一部 明石
入道の代作による返しを受け、源氏はなおも文を重ねる。この歌はその二度目の文に添えられたものである。返事が父の手によるものであることは明らかで、当人からの言葉がないもどかしさが述べられている。これを受けて、娘はようやく自ら筆を取ることになる。
「いぶせし」は心が晴れないという意である。「なやむ」は思い悩むことで、恋の苦しさを述べる。「やよや」は相手に呼びかける語で、さあ、もしもしという意の感動詞である。「問ふ人もなみ」は尋ねてくれる人もないのでという理由の言い方である。呼びかけの言葉を歌の中に置くことで、返事のない相手に直接語りかける形を作っており、代作を退けて当人の声を求める意図が働いている。
いぶせし:心が晴れない、気が塞ぐ。
なやむ:思い悩む。
やよや:さあ、もしもし。呼びかけの語。
…なみ:…がないので。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌