思ふらん心のほどややよいかに
まだ見ぬ人の聞きかなやまむ
- 歌の意味
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お思いくださるというお心のほどは、さあ、どれほどのものでございましょうか。まだお目にかかったこともない者が、お噂を聞いただけで思い悩むことなどございましょうか。
- 鑑賞
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第一部 明石
源氏の「いぶせくも」の歌を受けて、娘がようやく自ら筆を取って返したのがこの歌である。父の代作を離れ、明石の君が初めて自身の声で応じた一首にあたる。控えめでありながら相手の言葉を切り返す構えを持っており、源氏はこの返しによって、この人が並の田舎人ではないことを知ることになる。
「やよやいかに」は相手の歌の語をそのまま受け取っており、贈答歌の作法が守られている。「まだ見ぬ人」はまだ会ったことのない人のことで、自分自身を指す。「聞きかなやまむ」は噂に聞いただけで思い悩むことがあろうかという反語である。相手が呼びかけの言葉で当人の声を求めたのに対し、その呼びかけの語をそのまま返して問い直す形になっており、機知と警戒とが同時に働いている。
ほど:程度、深さ。
やよやいかに:さあ、どうであろうか。
まだ見ぬ人:まだ会ったことのない人。
かなやむ:思い悩む。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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