逢ふまでのかたみに契る中の緒の
しらべはことに変らざらなむ
- 歌の意味
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再び逢う日までの形見として互いに契り交わす、その中の緒の調べは、格別に変わらないでいてほしい。
- 鑑賞
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第一部 明石
明石の君が口ずさんだ「なほざりに」の歌を、源氏は真心からの言葉をいい加減呼ばわりされたものとして恨み、これに返したのがこの歌である。この音色が狂わないうちに必ず逢おうと言い添えて、自らを頼りにさせようとする。しかし明石の君は目の前の別れのやりきれなさに涙にむせるばかりであった。この後、いよいよ出立の暁を迎える。
「かたみ」は形見に「互み」を掛けた語で、互いにという意を重ねる。「中の緒」は琴の中央の弦のことで、その「中」に「仲」を掛けている。「しらべ」は調子、音の調律のことである。「ことに」は格別にという意に「琴に」を掛ける。琴を預けるという所作そのものが契りの比喩となる構成で、楽器の各部の名がすべて二人の関係を指す語に転じており、この巻の琴の主題が一首に凝縮されている。
かたみ:形見。「互み」を掛ける。
契る:約束を交わす。
中の緒:琴の中央の弦。「仲」を掛ける。
しらべ:調律、音の調子。
ことに:格別に。「琴に」を掛ける。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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