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かたみにぞかふべかりける逢ふことの
日数へだてん中のころもを

歌の意味
互いに形見として取り替えるべきであった。逢うまでの日数を隔てることになる、その中の衣を。
鑑賞
第一部 明石

 狩衣に書きつけられた明石の君の歌を見つけた源氏が、忙しい最中に返したのがこの歌である。せっかくの厚意だからと言って、身につけていた自らの召し物と取り替えて与える。その衣には香が深く移っており、受け取る側の心にしみないはずがないと物語は記す。この後、入道が別れの挨拶に現れる。

 「かたみ」は形見に「互み」を掛けた語で、明石17の琴の歌と同じ掛詞をここでも用いている。「かふ」は取り替えることである。「日数へだてん」は日数を隔てるという意で、再会までの時間を表すとともに、衣が二人の間を隔てるという意をも重ねる。「中のころも」は下着と上着の間に着る衣のことで、その「中」に「仲」を掛けている。衣という物の名を通じて、隔たりと結びつきが同時に述べられている。

かたみ:形見。「互み」を掛ける。
かふ:取り替える。
日数:日にちの数。
へだつ:隔てる。
中のころも:下着と上着の間に着る衣。「仲」を掛ける。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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