数ならぬみ島がくれに鳴く鶴を
今日もいかにととふ人ぞなき
- 歌の意味
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物の数にも入らない島陰に隠れて鳴く鶴を、五十日の今日でさえ、どうしているかと尋ねてくださる人もございません。
- 鑑賞
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第一部 澪標
源氏の「海松や」の歌を受けて、明石の君が返したのがこの歌である。文には、思い詰めて塞ぎ込む日々を、たまさかの便りだけを頼りに命をつないでいると記され、姫君の身が安泰になるよう取り決めておきたいとも訴えている。この文を源氏が何度も読み返して溜息をつくのを見た紫の上は、古歌の一節を口ずさんで拗ねてみせる。
「数ならぬ」は物の数にも入らないという意で、「み島」の「み」に「身」を掛けており、取るに足らぬ我が身と島とを重ねている。「鶴」は姫君をたとえたもので、鶴が長寿の鳥であることから相手の賀の趣向にも応じている。「いかに」は相手の歌の掛詞をそのまま受け、「五十日」を掛ける。相手が海藻に見立てたのに対し、こちらは島と鶴で応じており、同じ海辺の景の中で語を交換する形になっている。
数ならぬ:物の数にも入らない。
み島:島。「身」を掛ける。
かくる:隠れる。
鶴:長寿の鳥。ここでは姫君。
いかに:どのように。「五十日」を掛ける。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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