みをつくし恋ふるしるしにここまでも
めぐり逢ひけるえには深しな
- 歌の意味
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身を尽くして恋い慕ってきたしるしに、この難波までも巡り逢うことができた。二人の縁は深いのだ。
- 鑑賞
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第一部 澪標
源氏は住吉の御社を発ち、所々で遊覧を尽くしながら難波で祓を行う。堀江のあたりを眺めて「今はた同じ難波なる」と無意識に口ずさんだところ、御車の近くにいた惟光が、こうした用向きもあろうかと懐に用意していた短い筆を差し出した。その気の利きように感心した源氏が畳紙に書きつけたのがこの歌である。巻名の由来となる一首で、明石の君はこれに返歌をする。
「みをつくし」は難波の海に立てられた澪標に「身を尽くし」を掛けた語で、元良親王の「わびぬれば今はた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ」を踏まえている。「しるし」は証、効き目のことである。「えに」は縁に「江」を掛けている。澪標
しるし
深しはいずれも水の縁語で、一首全体が水辺の景としてまとめられており、偶然のすれ違いを宿縁として意味づける構成になっている。
みをつくし:澪標。「身を尽くし」を掛ける。
しるし:証、効き目。
めぐり逢ふ:巡り合う。
えに:縁。「江」を掛ける。
深し:深い。水の縁語。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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