雲のうへに思ひのぼれる心には
千ひろの底もはるかにぞ見る
- 歌の意味
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雲の上の宮中にまで高く昇ろうと志すこの物語の心からは、千尋の海底のように深いという伊勢物語も、はるか下に見えるのです。
- 鑑賞
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第一部 絵合
平内侍の「伊勢の海の」の歌を受けて、右方の大弐典侍がこれに応じて詠んだのがこの歌である。正三位という物語は、身分の低い女主人公が宮中にまで昇っていく筋であったらしく、その気位の高さを、伊勢物語の海の深さと対比させて誇っている。この応酬もなお勝負がつかず、続いて中宮藤壺が判詞めいた一首を詠むことになる。
「雲のうへ」は雲の上すなわち宮中のことで、正三位の女主人公が昇る場所を指す。「思ひのぼれる」は高く志すことである。「千ひろの底」は千尋の海底のことで、相手の歌の「伊勢の海」「ふかき」を受けて、その深さを下方に位置づけている。「はるかにぞ見る」ははるか下に見るの意である。相手が海の深さを誇ったのに対し、こちらは天への高さを対置しており、深と高という空間の対比で贈答が組み立てられている。
雲のうへ:宮中。
思ひのぼる:高く志す。
千ひろ:千尋。海の深さ。
底:海底。
はるかに:はるか遠くに。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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