つれなさを昔にこりぬ心こそ
人のつらきに添へてつらけれ
- 歌の意味
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昔のあなたの冷たさに懲りもせず、なお慕い続けた私の心こそが、今のあなたの冷たさに加わって、いっそう辛いのだ。
- 鑑賞
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第一部 朝顔
源氏は今宵はいっそう真剣に朝顔の姫君に思いを訴え、一言でよいから直接「嫌だ」と言ってほしい、それを諦めるきっかけにしようと迫る。だが姫君は、昔、父宮が二人の結婚を望んでいたときでさえ受け入れなかったのに、今さら盛りを過ぎた身で応じることなどできない、と微動だにしない。あんまりだ、酷いと思う源氏が、夜も更けて風の激しくなるなか、心細く涙をぬぐいながら詠んだのがこの歌である。姫君はなお心を許さず、源氏はむなしく引き下がる。
「つれなさ」は冷淡さ、そしらぬ態度である。「昔にこりぬ心」は、昔のあなたの冷たさに懲りもしなかった私の心、ということである。「人のつらき」は、相手すなわち姫君の冷たい仕打ちをいう。「添へて」は、それに加えて、である。「つらけれ」は、辛い、という意である。昔の冷たさに懲りずに慕い続けた自分の心そのものが、今また受ける冷たさと重なって、二重に辛いのだと嘆いている。相手を責めつつ、懲りない自らの恋心をも嘆く、屈折した思いをこめた一首である。
つれなさ:冷淡さ。そしらぬ態度。
こる:懲りる。二度とすまいと思う。
人:相手。ここでは朝顔の姫君。
つらし:冷たい。薄情である。また、(自分にとって)辛い。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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