いろいろに身のうきほどの知らるるは
いかに染めける中の衣ぞ
- 歌の意味
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さまざまなことにつけて我が身のつらい境遇が思い知られるのは、どのように染め定められた二人の仲なのだろうか。
- 鑑賞
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第一部 乙女
夕霧の抗議の歌に応えた返歌である。しかし最後まで言い終わらないうちに内大臣が入ってこられたので、姫君は仕方なくお部屋へ戻っていった。その夜、車三両ほどで人目を忍ぶように内大臣邸へ出立する気配を、夕霧は自室に伏したまま聞くことになる。大宮に呼ばれても寝たふりをして動かず、涙のとまらぬまま夜を明かした。二人の幼い恋は、この中断された一首を最後に、長く引き裂かれることになる。
「いろいろに」はさまざまなことにつけての意で、「染む」の縁語として色を響かせている。「身のうきほど」は我が身のつらい境遇、思うにまかせぬ立場である。「知らる」は自然と思い知られるの意。「中の衣」は二人の仲を衣に言いなしたもので、これもまた「染む」の縁語である。夕霧が色の濃淡で位階の不当を嘆いたのを受け、こちらは色を仲そのものに転じて、どのように染め定められた縁なのだろうと問い返す。相手を慰めるでも責めるでもなく、ただ定めのわからなさを嘆くところに、まだ幼い姫君の頼りなさと素直さがにじむ。言い終わらぬうちに父が入ってきて中断されるという場面の作りが、この恋の行方の不安をそのまま形にしている。
いろいろに:さまざまなことにつけて。「染む」の縁語。
身のうきほど:我が身のつらい境遇。思うにまかせぬ立場。
知らる:自然と思い知られる。
中の衣:二人の仲を衣に言いなしたもの。「染む」の縁語。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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