くもりなき池の鏡によろづ代を
すむべきかげぞしるく見えける
- 歌の意味
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曇りのない池の鏡に、万代にわたって共に住み続けるはずの二人の姿が、はっきりと映って見えたことだ。
- 鑑賞
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第一部 初音
源氏の祝い言に応えた紫の上の返歌である。何事につけても末長い夫婦の契りを、好ましく語らいあわれる。この日は元日と子の日が重なっており、千年の春をかけて祝うにまことにふさわしい日なのであった。翌日以降、源氏は明石の姫君、花散里、玉鬘、明石の君と、六条院の御方々を順に年賀に回ってゆくことになる。
「くもりなき」は曇りがないの意で、「鏡」の縁語である。源氏の歌の「池の鏡」「かげ」をそのまま受け取り、同じ語を用いて返している。「すむ」は水が「澄む」意と、「住む」すなわち連れ添う意とを掛ける。「よろづ代を」は万代にわたっての意で、千年の春を祝う子の日にふさわしい言葉である。「しるく見えける」ははっきりと映って見えたことだ、ということで、源氏が言葉にした二人の姿を、たしかに見えると請け合う形の返しになっている。祝儀の唱和として過不足がなく、この時期の二人のもっとも安らかな関係を伝える一首である。
くもりなし:曇りがない。「鏡」の縁語。
よろづ代:万代。永遠にわたる年月。
すむ:水が「澄む」意と、共に「住む」意とを掛ける。
しるし:はっきりしている。明らかである。
かげ:水面に映る姿。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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