めづらしと古里人も待ちぞみむ
花のにしきを着てかへる君
- 歌の意味
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めずらしいことと、お里の人も待ち受けて見ることでしょう。花の錦を着て帰るあなたを。
- 鑑賞
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第一部 梅枝
兵部卿宮の戯れ歌に応えて、源氏が御車を牛につなぐところまで追いかけて詠みかけられた一首である。宮はこれをずいぶん辛辣だとお思いになった。次々のお客人たちにも、大げさにならない程度に細長や小袿などを肩にかけておやりになる。こののち物語は、六条院西殿での姫君の裳着へと移ってゆく。
「めづらし」はめったにないこと、ここでは皮肉をこめて用いる。「古里人」は宮の歌の「妹」を受け、家で待つ人をさす。「花のにしきを着てかへる」は『史記』項羽本紀の、富貴となって故郷に帰らぬのは錦を着て夜行くようなものだという言葉を踏まえ、贈られた美しい装束をまとって帰る宮の姿にあてはめている。妻が咎めるだろうと言った宮に対し、いや待ち受けて見るでしょうと返すのだから、冗談をそのまま押し返す形であって、しかも漢籍を引いて言い立てるのだから、宮が辛辣だと感じたのももっともである。夜通しの遊びの幕切れを、笑いで閉じる一首である。
めづらし:めったにない。ここでは皮肉をこめる。
古里人:故郷で待つ人。前の歌の「妹」を受ける。
待ちみる:待ち受けて見る。
花のにしき:花のように美しい錦。贈られた装束をいう。
着てかへる:着て帰る。故郷に錦を飾る意を踏まえる。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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