いづれをも蔭とぞたのむ二葉より
根ざしかはせる松のすゑずゑ
- 歌の意味
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お二人のどちらをも頼りといたしております。二葉のころから根を交わしあってきた松のような、そのお二人の行く末々までも。
- 鑑賞
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第一部 藤裏葉
夕霧の乳母である宰相は、かつて大臣がまだ内大臣であったころ、幼い夕霧が六位であることを侮り、「六位宿世よ」と乳母たちに軽んじられた、あの辛い仕打ちを忘れていない。それだけに今、二人がめでたく結ばれ大臣も婿を大切にする様を見て、したり顔でこの歌を詠んだのである。年老いた女房たちも、こうした趣向で次々に歌を詠みあうのを、中納言(夕霧)はおもしろいとお思いになる。雲居雁のほうは、わけもなく顔を赤らめ、聞き苦しいと思っていらっしゃる。
「いづれをも蔭とぞたのむ」は、お二人のどちらをも頼りにする、の意である。「二葉」は芽生えたばかりの双葉で、幼かった二人をさす。「根ざしかはせる松」は根を交わしあった相生の松で、幼いころから結ばれていた夫婦の契りの深さを象徴する。「すゑずゑ」は行く末々の意に、松の梢を響かせ、松の縁語として働く。かつて夕霧の官位の低さを侮った当のいきさつを踏まえての「したり顔」であるから、この歌には、あのころ見くびられた御方が今こうしてお立ちになった、という誇らかな気持ちがこもる。相生の松に夫婦の末長さを祝ぐ、めでたい詠みぶりでありながら、当事者の雲居雁には気恥ずかしい一首でもあった。玉鬘十帖以来くすぶってきた夕霧と雲居雁の物語が、この祝いの唱和をもって大団円を迎える。
いづれをも:お二人のどちらをも。
蔭:頼みとするもの。庇護。
二葉:芽生えたばかりの双葉。幼いころのたとえ。
根ざしかはす:木が根もとを交わし合う。相生の松をいう。
すゑずゑ:行く末々。松の「梢」を響かせる。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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