命こそ絶ゆとも絶えめ定めなき
世の常ならぬ仲の契りを
- 歌の意味
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命は絶えるなら絶えもしよう。しかし無常なこの世の常とは違う、二人の仲の契りなのだ。
- 鑑賞
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第二部 若菜上
紫の上が手習に書きつけた「目に近く」の歌を、源氏が取り上げて読み、その場で返したのがこの歌である。世の中は移ろうものだという相手の嘆きを受け止めつつ、自分たちの契りだけは世の常とは違うのだと言い切っている。しかし紫の上の不安は言葉で消えるものではなく、源氏自身もそれを承知したうえで、なお言わずにいられない。この夜、源氏は女三の宮のもとへ渡り、六条院の均衡は静かに崩れ始める。
「命こそ絶ゆとも絶えめ」は、命は絶えるならば絶えてもよいというほどの強い言い方である。「定めなき世」は無常な世で、相手の歌の「世の中」を受けている。「世の常ならぬ仲」は世間並みではない二人の仲のことで、変わらぬものであると誓う内容になっている。相手が現実の移ろいを述べたのに対し、こちらは契りの不変を述べており、同じ「世」の語を用いながら向きが正反対になっている点に、二人の立場の隔たりが表れている。
絶ゆとも絶えめ:絶えるなら絶えてもよい。
定めなき世:無常でうつろいやすい世の中。
世の常ならぬ:世間並みではない。格別の。
契り:約束。前世からの縁。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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