中道を隔つるほどはなけれども
心乱るる今朝のあは雪
- 歌の意味
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二人の間の道を隔てるほどではないけれど、心の乱れる今朝の淡雪であることよ。
- 鑑賞
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第二部 若菜上
女三の宮が六条院に降嫁して数日、源氏は形どおり宮のもとに通う。ある朝、淡雪の降る中を自邸に戻った源氏が、宮のもとへ書き贈ったのがこの歌である。後朝の文の作法に従った丁重な一首だが、そこには年若い正妻を迎えたことへの落ち着かなさもにじむ。宮からは返しが届くが、その筆跡があまりに幼いのを見て、源氏はひそかに失望する。この失望が、以後の二人の距離を決めていく。
「中道」は二人の間を通う道のことで、雪が積もって道が閉ざされるほどではないと述べている。「あは雪」は春先に降るやわらかな淡い雪で、消えやすくはかないものとされる。道を隔てるほどではないと言いながら、心は乱れると続けることで、外の景と内心とが軽く食い違う形になっている。若い妻への気づかいを尽くした挨拶の歌でありながら、通い路という語がすでに二人の隔たりを含んでいる点が読みどころである。
中道:二人の間を行き来する道。
隔つ:へだてる、さえぎる。
あは雪:春先に降る消えやすい淡い雪。
後朝の文:一夜を共にした翌朝、男が女に贈る手紙。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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