はかなくてうはの空にぞ消えぬべき
風にただよふ春のあは雪
- 歌の意味
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頼りなく、空の途中で消えてしまうにちがいない。風に漂う春の淡雪のように。
- 鑑賞
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第二部 若菜上
源氏の「中道を」の歌を受けて、女三の宮が返したのがこの歌である。淡雪という相手の語をそのまま受け取り、自分の身をその雪になぞらえている。歌そのものは贈答の形を守っているが、書かれた紙も筆跡もいかにも幼く、源氏はこれを見て、紫の上とはあまりに違うと思わずにいられない。以後、源氏は宮を大切に扱いながらも心を寄せきれず、宮は六条院の中で孤立していく。
「はかなくて」は頼りなく、あっけないさまをいう。「うはの空」は空の中ほどの意で、地に届く前に消えることを表すとともに、心が定まらないさまをも含む語である。「ただよふ」は風に漂うことで、拠りどころのなさを重ねている。相手の「あは雪」を受け返す形は整っているものの、内容は自分のはかなさを述べるにとどまり、贈歌に切り返す機知がない。その素直さがそのまま、この人の置かれた立場と行く末を暗示している。
はかなくて:頼りなく、あっけなく。
うはの空:空の中ほど。心が定まらない意も含む。
消えぬべき:消えてしまうにちがいない。
ただよふ:あてもなく漂う。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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